すべては『聞こえ』のために!! あいち補聴器センター社長ブログ › 研修会、勉強会 › 両耳装用と音空間認知の聴取について
2010年07月19日
両耳装用と音空間認知の聴取について
昨日ご紹介した補聴器両耳装用について、今回は両耳装用と音空間認知の聴取についてご説明したいと思います。
音の音源定位(方向感)は、大きく分けて3つの方向があると思います。
1、水平方向
水平方向からの音については、音の時間差で位置を特定しています。具体的には頭部の回折の頭部陰影効果により時間差が生まれます。
したがって片耳装用ですと、両耳での時間差がうまくつくれず方向感が出にくくなります。
2、垂直方向
垂直方向の音源の定位は、高域が重要になります。
多くの難聴者の方は蝸牛の構造上、高域の音から聞きづらくなる可能性が高くなります。
ですので垂直方向の音源の特定がより難しくなってきます。
しかしながら現在は、8000Hzや中には12000Hzという今までの補聴器(6000Hzくらいまででした)では増幅できなかった高域の音についても増幅できる器種も増えており、これらの補聴器を両耳で装用することにより垂直方向の音源の改善が望めます。
特に子どもさんの場合は、増幅できる高域の周波数帯が広がったことにより、音源定位ついても有効なこともありますが、音楽や環境音(虫の声なども)の広がりを生む可能性があるので、広い周波数帯を増幅できる補聴器をお勧めしています。
そして聞こえの可能性を活かすためにも両耳装用を強くお勧めしております。
どうしても両耳装用が最初は難しい、できないであれば相互装用という方法もあります。詳しくは、
右から左、左から右へ 相互装用
3、前後方向
これについては、耳の外に出ている耳介(耳本体)の集音と遮断効果により、前後の音の認識を人間は行なっているそうです。
詳しいメカニズムについてまだ分かってないことが多いようなので、すみませんがこれ以上の説明はできません。
今回の講義で、補聴器両耳装用は、言葉の明瞭度だけではなく、音源定位についも有効であると勉強できました。
最近実際に、当店で広い周波数帯を増幅できる補聴器(両耳)に買い替えられた子どもさんは、
『すこし高音の入り方、聞え方は違うけどなんだか音空間が広がった気がします。
慣れればこっちのほうが言葉も聴きやすくなりそうです。』
とおっしゃられています。
今後も少しでも『聞こえ』の改善のお役に立てるように、補聴器両耳装用について更に勉強していきます!
すべては『聞こえ』のために!!
Posted by 天野慎介 at 19:00│Comments(2)
│研修会、勉強会
この記事へのコメント
いつの間にかスマイルデコ補聴器で取り上げていただきありがとうございます。
デコも両耳の特集も、実は3Dつながりでいいですね^^
両耳装用は可能であれば、絶対にお勧めですよね。やはり私の店でも、主訴や聴力によって可否がございますが、片耳装用に比べお客様の声が全然違ってきます。
より良い聞こえ、QOL改善のためにもデコ・両耳装用は素晴らしい取り組みです。お互い頑張りましょう!
デコも両耳の特集も、実は3Dつながりでいいですね^^
両耳装用は可能であれば、絶対にお勧めですよね。やはり私の店でも、主訴や聴力によって可否がございますが、片耳装用に比べお客様の声が全然違ってきます。
より良い聞こえ、QOL改善のためにもデコ・両耳装用は素晴らしい取り組みです。お互い頑張りましょう!
Posted by FCC_HIRO at 2010年07月19日 23:13
FCC_HIROさん>
コメントありがとうございます。
デコも両耳の特集も、実は3Dつながりでいいですね^^>
実はそうなんです!先日は大変お世話になりました。
日本の両耳での装用者の方の人数や理解は、欧米に比べだいぶ遅れていると感じます。少しでもこのブログが両耳装用のキッカケになればと思います。
より良い聞こえ、QOL改善のためにもデコ・両耳装用は素晴らしい取り組みです。お互い頑張りましょう!>
FCC_HIRO さんの難聴者の方に対する配慮はすごいと思います。はい!今後とも宜しくお願い致します!
コメントありがとうございます。
デコも両耳の特集も、実は3Dつながりでいいですね^^>
実はそうなんです!先日は大変お世話になりました。
日本の両耳での装用者の方の人数や理解は、欧米に比べだいぶ遅れていると感じます。少しでもこのブログが両耳装用のキッカケになればと思います。
より良い聞こえ、QOL改善のためにもデコ・両耳装用は素晴らしい取り組みです。お互い頑張りましょう!>
FCC_HIRO さんの難聴者の方に対する配慮はすごいと思います。はい!今後とも宜しくお願い致します!
Posted by 天野慎介
at 2010年07月20日 14:34
