すべては『聞こえ』のために!! あいち補聴器センター社長ブログ › 子どものための補聴器情報 › 新生児聴覚スクリーニング検査について①
2009年07月07日
新生児聴覚スクリーニング検査について①

先日、ご紹介した、第10回 補聴器適合研修会での、あいち小児保健医療総合センター 耳鼻咽喉科部長 服部 琢先生による、
『難聴児が補聴器装用、人工内耳に至るまで』
の講義の中で、新生児聴覚スクリーニング検査について詳しくご説明頂けましたので、今回と次回の2回に分けご紹介したいと思います。
まずは、新生児聴覚スクリーニング検査を行うことがなぜ重要かをご説明します。
乳幼児の補聴器や人工内耳の早期装用(早期装用の重要性については、小児難聴 早期装用 『1-3-6Plan』)には、難聴の早期発見がとても重要となります。新生児聴覚スクリーニング検査は、産まれたばかりの赤ちゃんの難聴を発見する上でとても有効な検査です。
現在、日本ではAABRとOAEの2つのどちらかで新生児聴覚スクリーニング検査をすることが多いです。

☆AABR(自動聴性脳幹反応検査)
眠っている赤ちゃんに30~40dB(デシベル)の小さな音を聞かせ(1000回~15000回)、その刺激に反応して起こる変化をコンピューターが判断し、音に対して正常な反応があるかないかを調べる検査です。正常ならPASS(パス)、再検査が必要な場合はREFER(リファー)と出ます。
☆OAE(耳音響放射検査)
蝸牛を刺激することによって得られる蝸牛からの音響反応です。こちらも赤ちゃんが寝ている時などに行います。正常ならPASS(パス)、再検査が必要な場合はREFER(リファー)と出ます。
しかしながら、どちらの検査も難聴を推定するものであり、いくら再検査が必要な場合のREFER(リファー)と結果が出たとしても本当に難聴であるかは、その後の再検査や成長を見ながらではないと確定はできないと服部先生はおっしゃられていました。(先天性の難聴児は1000人に1人(0.001%)の割合で産まれます。ですが比較的精度の高いAABRでも1~3%再検査が必要な場合のREFER(リファー)とでるようです。)

実際にAABRを行っている写真です。

OAEを行う検査装置です。
県や市によって差がありますが、この新生児聴覚スクリーニング検査を助成する自治体が増えています。岡崎は2008年4月から助成が開始しています。詳しくは、2008年01月30日 岡崎市 4月から新生児聴覚検査を助成
さらに今回の講義で、新生児聴覚スクリーニング検査ついてのご家族へのインフォームド・コンセント(説明と同意)ついてもご講義頂けましたので次回ご紹介します。
すべては『聞こえ』のために!!
Posted by 天野慎介 at 12:52│Comments(0)
│子どものための補聴器情報