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2009年07月10日
新生児聴覚スクリーニング検査について②

第10回 補聴器適合研修会での、あいち小児保健医療総合センター 耳鼻咽喉科部長 服部 琢先生のご講義の中で詳しくご説明のあった、新生児聴覚スクリーニング検査について今回は、新生児聴覚スクリーニング検査実施後のご家族へのインフォームド・コンセント(説明と同意)そして検査後についてご紹介したいと思います。
新生児聴覚スクリーニング検査が一般的に行われるようになり、難聴の早期発見が進み補聴器や人工内耳の早期装用が実現できるよう(メリット)になりました。
しかしながら、
デメリットとまでとは言えないですが、赤ちゃんが産まれたばかりで、難聴の疑いがあるかもしれませんと親御さんに受容して頂くことが必要になります。
ここで大切なことは、新生児聴覚スクリーニング検査で、いくら再検査が必要な場合のREFER(リファー)と結果が出たとしても本当に難聴であるかは、その後の再検査や成長を見ながらではないと確定はできないということです。(この説明がとても大切と服部先生は、おっしゃられていました。)
また正常PASS(パス)と出た場合でも、その後、病気なので難聴になりうる可能性もあるます。
どちらの場合でも、しっかりと親御さんに子供さんを行動観察して頂くことがとても重要になります。
★生後12ヶ月までの聴覚発達のおもなチェック項目をご紹介します。
0ヶ月 突然の音にビクッとする。
1ヶ月 眠っていて突然の音に目をさますか、または泣き出す。
2ヶ月 話かけるとアーとかウーとか声を出して喜ぶ(またはニコニコする)
3ヶ月 ラジオの音、テレビのスイッチの音、コマーシャルなどに顔(また眼)をむけることがある。
4ヶ月 名を呼ぶとゆっくりではあるが顔を向ける。
5ヶ月 突然の大きな音や声に、びっくりしてしがみついたり、泣き出したりする。
6ヶ月 声をかけると意図的にさっと振り向く。
7ヶ月 叱った声(コラ、メッ!など)や、近くで鳴る突然の音に驚く(または泣き出す)
8ヶ月 動物の鳴き声をまねると、キャッキャッいって喜ぶ。
9ヶ月 となりの部屋で物音を立てたり、遠くからよぶとはってくる。
10ヶ月 気づかれぬようにして、そっと近づいて、ささやき声で名前を呼ぶと振り向く
11ヶ月 ・・・チョウダイと言うと、そのものを手渡す。
12ヶ月~ 目、耳、口など身体部位をたずねると、指をさす。
聴覚障害Ⅰ-基本編より
耳鼻科医、言語聴覚士、補聴器店は、毎日子供さんを見ているわけではありません。このためこのような行動観察して頂きご協力して頂くことが難聴の早期発見にはとても重要です。
実際にこの子は、難聴かもしれませんと告げられることは、大きなこころの負担が生まれると思います。しかしながら言語発達において補聴器や人工内耳の早期装用は、とても重要なことです。
子供さんのその後の人生が変わってしまう可能性もあると思います。
ですので親御さんには、子供さんの『聞こえ』をしっかり感じ見て頂いて、適切な早期装用などにはいれることを望んでおります。
今回の講義では、子供さん(特に新生児、乳幼児)の難聴や聴力検査について学べました。これからも、もっと子供と難聴、補聴器などを勉強していきたいと思います。

改訂 聴覚障害〈1〉基礎編 (言語聴覚療法シリーズ)
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この改訂 聴覚障害〈1〉基礎編は、子供と難聴や補聴器フィッテング、新生児聴覚スクリーニング検査について詳しく書かれています。難しいですが大変勉強になる本です。あいち補聴器センターでお貸し出しすることもできます。(この本は、補聴器の師匠 秋山さんに紹介して頂きました。)
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Posted by 天野慎介 at 11:54│Comments(0)
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